2018年は11月6日に米国で中間選挙が行われます。
中間選挙の年は概ねドル安傾向にあると言われます。その要因は時の政権がドルを安く誘導することで大票田である自動車産業や農業などの輸出振興を促すから、というものです。
本当に狙い通りドル安が演出されているのでしょうか。過去5回の中間選挙を調べてみました。
5回中3回は明らかなドル安
出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング
作図:トレマト
1998年から2014年までの計5回のドル円の値動きを定点観測してみました。
上グラフは前年末のドル円を基点とした投票日直前の騰落率です。棒が上に伸びれば円安ドル高を、また下に伸びれば円高ドル安を示します。
結果は5回中3回が円高ドル安、1回がほぼ変わらず、直近の1回が円安ドル高でした。
それぞれの政権と選挙結果は以下のとおりです。
1998年
クリントン民主党政権2期目 11月3日投票 上院変わらず 下院民主党の勝利
2002年
ブッシュ共和党政権1期目 11月5日投票 上下両院とも共和党の勝利
2006年
ブッシュ共和党政権2期目 11月7日投票 上下両院とも民主党の勝利
2010年
オバマ民主党政権1期目 11月2日投票 上下両院とも共和党の勝利
2014年
オバマ民主党政権2期目 11月4日 上下両院とも共和党の勝利
■色の1998年と2002年、2010年は円高ドル安となった年です。民主党共和党、1期目2期目の違いによる傾向は見当たりません。
ただし5回中2回(1998年と2002年)はドル安と政権の勝利が一致しています。また1回(2014年)はドル高と政権の敗退が一致しています。つまり6割の確率でドル安誘導の成否が選挙結果に影響しているとも言えるでしょう。
スポンサーリンク
10割の確率で第1四半期末に予測できる
出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング
作図:トレマト
別の切り口で投票日直前のドル円をもっと高い確度で占えないでしょうか。前年末と投票日直前の間に第1四半期末を挟んでみました。
上のグラフの左緑棒は前年末のドル円を基点とした第1四半期末である3月31日(直近の為替市場開場日)の騰落率です。
また右紫棒は第1四半期末である3月31日(直近の為替市場開場日)を基点とした投票日直前の騰落率です。
棒が上に伸びれば円安ドル高を、また下に伸びれば円高ドル安を示します。
すると興味深い結果が得られました。
[st-midasibox title=”ここがポイント” fontawesome=”fa-bullhorn” bordercolor=”#000000″ color=”#ffffff” bgcolor=”#faebd7″ borderwidth=”3″ borderradius=”0″ titleweight=”bold”]投票日直前のドル円は
第1四半期末の騰落と
反対の結果[/st-midasibox]
となることが判明しました。
1998年と2002年、2010年は第1四半期末が円高に振れており、投票日直前には、そこから円安に戻しています。これは政権の危機感が以降の頑張りに反映された結果なのでしょうか。
2018年は第1四半期末のドル円相場に注目してみるというのも今年を占うポイントかもしれません。
コメント