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リスクオフに強いとされてきたBitcoinに新型コロナ新変異型「オミクロン」の発生で変化が

2021年11月26日金曜日、南アフリカで新型コロナ(COVID‑19)の新変異型が発見されました。
翌日のnikkei.comは

世界保健機関(WHO)は26日、南アフリカで新たに見つかった新型コロナウイルスの変異型を最も警戒レベルが高い「懸念される変異型(VOC)」に分類し、「オミクロン型」と名付けると発表した。多数の変異を持ち、再感染する能力が高い恐れがある。ベルギーでも感染者が見つかり、既に世界に広がっている可能性も出てきた。

出典:日本経済新聞/nikkei.com 2021年11月27日 4:09 (2021年11月27日 7:41更新)

と報道。

この出来事にマーケットはどう反応したのでしょう。

株価は大幅下落、国債10年物の金利も低下

26日当日の日経平均株価は下図[1]のように前日比747.66円(2.5%)の下げ、NYダウも前営業日比905.04円(2.5%)の下げ、NASDAQは前営業日比353.57ポイント(2.2%)の下げ、株価は一気に下落しました。恐怖指数も28.62と跳ね上がっています。

ちなみに欧州の主要市場でも英国のFTSE100が3.6%の下げ、ドイツのDAXが4.2%の下げと、米国と比べ割と早い時間帯での取り引きのため混乱のさなかにあったのが伺えます。

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上図[2] 日経平均株価、NYダウともここ7日間ほど、やや下押しの傾向にありましたが、これは主に経済活動の復活に伴う世界的な物価上昇を背景とした金利の先高観が影響していたものと思われます。26日はこれまでの理由とはまったく異なる事象により下げ幅が拡大しました。

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上図[1]主要国の国債10年物の推移を見ると米国を筆頭に長期金利上昇のトレンドが見えていました。リスクオンの傾向でしたが、[2]11月26日に一気に低下し安全資産である国債に資金が流れたのが見て取れます。リスクオフへの転換です。

投資信託、年金基金が最高値を後押し

暗号資産(仮想通貨)のBitcoinはこれまで金と並ぶインフレヘッジ資産として定評がありました。

また米国とイランの緊張が高まった際や新型コロナウイルスのこの夏までの世界的な蔓延時にも強さを見せました。

これらの背景には恐らく中国、イラン、発展途上国の自国通貨に対するリスクヘッジとしての役割があったように思われます。

その後、中国恒大の債務不履行が問題化した際に大きく下落しましたが、先物の投資信託の上場や年金基金からの投資などを支えに11月9日Bitcoinはドルベースで最高値を記録しています(日本円では11月10日)。

本年10月19日、米ニューヨーク証券取引所において、暗号資産であるビットコインの先物価格に連動した上場投資信託(プロシェアーズ・ビットコイン・ストラテジーETF)が上場。投資家や金融市場からの注目度は高く、取引開始直後の1日の売買代金は10億ドル超を記録。取引拡大の期待感からビットコイン価格も一時最高値を更新。

出典:日本総研 2021年11月01日

ヒューストンの消防士年金基金「Houston Firefighters’ Relief and Retirement Fund(HFRRF)」は先日、ビットコイン(BTC)とイーサ(ETH)に2500万ドルを投資してニュースになった。アメリカの年金基金がバランスシートで直接暗号資産を保有したのは、初めてのこととされている。

出典:coindeskJAPAN 2021年 11月 3日 09:10 2021年 11月 3日 09:10 更新

アルトコインの代表格であるEthereumもBitcoinに併せて同日日本円で最高値を記録しています。

それが11月26日の 新変異型 「オミクロン」の発生時には株や国債同様、BitcoinもEthereumも明らかなリスクオフの様相となりました。

明らかにBitcoinの立ち位置が従来とは変化しているように思われます。

プレイヤーが変化したのではないか?

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データ出典:bitFlyer 終値一覧 取引所価格 日本円24時時点

上図は2021年11月1日から11月26日までのBitcoinとEthereumの価格変動を表わしたものです。大きく3つの下落局面があったのがわかります。

[1]最高値を記録した直後の11月11日と12日の2日間
これについて原因にまで及ぶ報道は見当たりません。恐らく単純な利益確定ではなかったかと思われます。

[2]11月16日
これについては理由を究明する記事がありました。

インフラ投資法案での暗号資産(仮想通貨)に対する規制などで嫌気が差したなどの理由のほか、下落の大きな要因は機関投資家による決済であったという見方もある。
ビットコイン市場には現在、機関投資家が参入してきており、この時期は利益確定で現金化する時期でもある。そのため、利益を1度確定し、下がったところでまた入り直すという行動に出るケースが見受けられる。

出典:zuuonline 月間暗号資産

引用文中の「この時期は利益確定で現金化する時期」とは、株式投資でよく取りざたされるアノマリー「45日ルール」のことではないかと思われます。

「45日ルール」とは、「ヘッジファンドの顧客がファンドを解約するためには、決算日の45日前までに解約を申し込まなければならない」という通知期限に関するルールである。投資家から解約を求められれば、ヘッジファンドは当然のことながら換金作業を行うことになる。

出典:財経新聞

つまり、前項で示した投資信託や年金基金に加えヘッジファンドもプレイヤーとしてBitcoinに参入してきていることが伺えます。

これらにより何が変わるのか…

[3]オミクロン
11月26日、Bitcoinは6,238,922円と前日比7.83%の下げ、またEthereumも469,128円と前日比9.34%の下げ(bitFlyer 24時時点の終値)を記録しました。

一方11月26日のNY金先物価格は1785.50ドルと前営業日比1.2ドルと僅かながらも上昇の動きを見せています。

今回の大幅下落はBitcoinも株式同様にベーシックなマーケットへと様変わりした結果のリスクオフの現れだったのではないでしょうか。

これまでは金同様、リスクオフの逆張り的な存在であったのが、まったく異なる動きを見せるようになりました。

つまり

Bitcoinは主力プレイヤーが変わりました。オーソドックスな投資対象としてリスクヘッジに敏感な欧米の巨額資金が投じられるようになっています。

金と同じく限られた“採掘資源”であるBitcoinですが、金との同一視はそろそろ改めた方がよいようです。

2021年12月9日追記

その後Bloombergは「多くの点において、2021年は暗号資産(仮想通貨)がようやく機関投資家に受け入れられた1年だった」と前置きした上で2022年の動向予測をつぎのように報じています。

仮想通貨、来年に大幅調整に入る資産「トップ候補」-機関投資家調査

出典:Bloomberg 2021年12月9日 01時58分

ますます覚悟と注意が必要です。

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