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株式相場は3月4月に急変危機!清明節とイースターに注意したい

株式市場や為替市場の参加者は休暇前にポジション調整を行うことがよくあります。政治や経済などの見通しが不透明な状況にある場合はなおさらで、休暇中に不測の事態が発生しても困らないように、いったん手じまいし利益確定や損切りへと動きがちです。

一般的に休暇といえば夏休みを思い浮かべますが、じつは春にも気をつけなければならないポイントがあります。それは中国の清明節と欧州のイースターです。

市場参加者の有力な勢力がいっせいに休暇に入るため相場の急変が起こりやすい時期なのです。
事実、東日本大震災翌年の2012年以降のデータにも顕著な変化が認められます。

各年の定点観測の結果をご報告する前に、念のため清明節とイースターについてかんたんに説明しておきましょう。

 

中国の清明節とは

「清明」とは中国の二十四節気の一つで人民の休日です。春分の日の15日後が清明ですが、毎年定まった休日はなく、11月末から12月にかけて国務院より翌年の公定祝祭日の一つとして発表されます。休日は3日連続で設定され、土曜日、日曜日と接続する場合は、日曜日が振替出勤日と定められるようです。日本の市場にとっては3日間から最大5日間の中国勢不在の期間となります。

 

欧州のイースターとは

「イースター(感謝祭)」はキリスト教の重要な祝祭日の一つです。毎年春分の日後の最初の満月のつぎの日曜日と定められ、2日前の金曜日が「グッドフライデー」、翌日の月曜日が「イースターマンデー」と呼ばれます。米国では国民の祝日ではありませんが、英国、ドイツなどの欧州主要国では4連休となります。

 

さて、春のこの2大イベントを念頭に株式相場(日経平均株価)の動きを追ってみましょう。

2012年

清明節休暇は4月2日(月)から4月4日(水)までの3日間。一方欧州のイースター休暇は4月6日(金)から4月9日(月)までの4日間でした。

以下黄色の矢印が清明節休暇と、青の矢印がイースター休暇とそれぞれ株式市場の営業日が重なる部分です。

2012nikkei225

出典:[日経平均株価©日本経済新聞社]日経平均プロフィル 作図:トレマト

3月27日(火)の終値10255.15円をピークに清明節とイースターの期間中下げ基調にあるのが顕著です。それまで積みあがってきた利益を確定する動きのように見えます。そして中国勢、欧州勢の休暇が明け、買い安心感につながったのかマドを空けての上昇(買戻し)が見られます。

 

2013年

欧州のイースター休暇は3月29日(金)から4月1日(月)までの4日間。一方清明節休暇は4月4日(木)から4月6日(土)までの3日間でした。

2013nikkei225

出典:[日経平均株価©日本経済新聞社]日経平均プロフィル 作図:トレマト

3月21日(木)の終値12635.69円をピークにやや下げ傾向にありましたが、それまでの上げが緩やかだったため欧州勢の利確の動きはさほど大きくなかったようです。値ごろ感で買い戻されたのか、4月2日(火)の長い下ヒゲを確認すると清明節にも関わらず急上昇しました。

じつは日本時間4月2日(火)夜、欧州勢が戻った米国S&P500は高値を記録しています。そのリスクオンの雰囲気が4月3日(水)の日本市場に持ち越され清明節休暇前日の中国勢の「売り」圧力を抑えたかたちです。もっともこの時点ですでにあく抜きはできており、手じまいという雰囲気でもなかったでしょうが。

さらに急上昇を演出したのが4月4日(木)日銀による「異次元」の追加金融緩和策の発表です。市場にサプライズをもたらしました。

ただ不思議なのは急に盛り上がったリスクオンの雰囲気です。米国S&P500が高値を記録した日本時間4月2日(火)夜は米国でADP雇用統計が発表されました。これが期待外れなものであり、さらにISM非製造業景気指数も弱かった。本来ならばリスクオフへと転換するはずですが、ちょうど日本では日銀の金融政策決定会合が開かれており、もしかしたら追加金融緩和の期待が高まったのか、あるいは「異次元」の緩和が事前にリークされていたのかもしれません(多分に被害妄想的な見解ですが国のやっていることですから可能性はゼロではないでしょう)。

結果的に日本の金融政策が世界的な株式相場の腰折れを防いだ春でした。

 

2014年

清明節休暇は4月5日(土)から4月7日(月)までの3日間。一方欧州のイースター休暇は4月18日(金)から4月21日(月)までの4日間でした。

2014nikkei225

出典:[日経平均株価©日本経済新聞社]日経平均プロフィル 作図:トレマト

4月3日(木)終値15071.88円をピークに急落しました。この年は清明節休暇とイースター休暇の間が開き、市場への影響は少ないはずでした。

しかしウクライナ東部での親ロシア派武装勢力がもたらした混乱による地政学的リスクから見切り売りが重なった模様です。清明節休暇があけたばかりの中国勢にとってピークアウトの兆候が狼狽を呼んだのかもしれません。

その後、米国、ロシア、EUなどの冷静な働きかけが見られ、いったん株価は底を打っています。

 

2015年

清明節休暇は4月4日(土)から4月6日(月)までの3日間。一方欧州のイースター休暇は4月3日(金)から4月6日(月)までの4日間でした。

2015nikkei225

出典:[日経平均株価©日本経済新聞社]日経平均プロフィル 作図:トレマト

3月23日(月)終値19754.36円をピークにいったん小幅に値を下げています。そして清明節、イースターが終わる両勢が戻ると株価はマドを空けて上昇しました。

日経平均株価は2月以降大きく上昇しており、清明節がイースターが重なるこの年は強い利確の動くがあってもおかしくないはずです。しかしそうはならなかった。

この年は3月10日にドル円が2007年7月以来のドル高(円安)水準である122円03銭を記録し、さらにその後、欧州各国で過去最低の長期金利水準を更新するなど、リスクオンの状況下にありました。大きく値を崩す材料が見当たらなかったことが幸いしたようです。

 

2016年

欧州のイースター休暇は3月25日(金)から3月28日(月)までの4日間。一方清明節休暇は4月2日(土)から4月4日(月)までの3日間でした。

2016nikkei225

出典:[日経平均株価©日本経済新聞社]日経平均プロフィル 作図:トレマト

3月14日(月)終値17229.13円をピークに小康状態を保っていた株価はイースター休暇明けと清明節入り前が重なる期間に大きく値を崩しました。欧州勢のいったん手じまいと中国勢による利確の動きが「売り」で一致したかたちです。

清明節休暇入りの前日である4月1日(金)朝に発表された日銀短観が2四半期ぶりの低下となり、ネガティブサプライズとなったようです。

 

2017年

清明節休暇は4月2日(日)から4月4日(火)までの3日間。一方欧州のイースター休暇は4月14日(金)から4月17日(月)までの4日間でした。

2017nikkei225

出典:[日経平均株価©日本経済新聞社]日経平均プロフィル 作図:トレマト

3月13日(月)終値19633.75円をピークに、イースター休暇が明け欧州勢が戻るまで、比較的長い下降トレンドとなりました。清明節前に売られ、イースター前に売られというダブルのパンチです。

米国トランプ政権への一時の期待が弱まる中、英国のEU離脱交渉が実際に始まり、市場はリスクオフへと傾いたようです。利確にはちょうどよいタイミングだったのかもしれません。

 

これまでの特徴的な傾向

さて2012年から2017年までの6年間のデータを検証してきましたが、ある一定の傾向があったことにお気づきでしょうか。

それは

[st-midasibox title=”ここがポイント” fontawesome=”fa-bullhorn” bordercolor=”#000000″ color=”#ffffff” bgcolor=”#faebd7″ borderwidth=”3″ borderradius=”0″ titleweight=”bold”]・日経平均株価は3月半ばにピークアウトする
・清明節とイースターの間、あるいはその前に必ず下降トレンドが現れる
・6回のうち4回は両勢力の休暇明けに上昇している
[/st-midasibox]

ことです。

政策や指標、地政学的現象などさまざまな“材料”がそこに絡んではいるのですが、それを抜きにしても決まって下降トレンドが現れる事実は何か別のバイアスがかかっているように思われます。つまり利確、手じまいの機運がその時期発生した“材料”を理由にいっせいに実行動となって現れているのではないでしょうか。

 

2018年

では2018年は何を“材料”に、どう動くのでしょうか。

欧州のイースター休暇は3月30日(金)から4月2日(月)までの4日間。一方清明節休暇は4月5日(木)から4月7日(土)までの3日間です。

これまでの動き

これまでの日経平均株価の動きは以下のようになっています。

2018nikkei225

出典:[日経平均株価©日本経済新聞社]日経平均プロフィル 作図:トレマト

本ブログで予測したように二番底を形成しています。

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二つの悲観材料

材料としては米国長期金利の上昇と新たに出現した米国の鉄鋼・アルミニウム製品の輸入制限を目的とした高額関税政策でしょうか。

シナリオとしてはトランプ政権の暴走を議会の大御所が制する姿勢を見せ、いったんリスクオンへと戻した後、3月30日(金)からのイースター休暇前の利益確定が濃厚です。

本ブログのつぎの記事では

[st-card id=147 label=” name=”]

春分以降の「お化粧買い」を予測しています。

しかし2月の急落で市場のムードは大きく変化してしまいました。3月の「お化粧買い」への逆風は強いと見るのがいまの考えです。

また中国に対するトランプ政権の強硬姿勢が強まれば、米国債の下落(長期金利上昇)懸念が高まり、株式市場にとってはさらなるマイナス要因となります。

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4月4日(水)の三番底も

問題は4月2日(月)発表の日銀短観。ポイントとなるのは事業計画の前提となる想定為替レートです。このところの円高傾向を大企業はどう見ているのか。過大な楽観が垣間見えたら、先行き不透明感から株式市場は「売り」で反応するでしょう。

となると清明節を前にした中国勢の売りが膨らみ、予測した三番底も十分現実味を帯びてきます。 

今年の清明節、イースターは例年に増して注意が必要です。

 

 

 

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